インフルエンザ

【種類】
ヒトで流行を起こすインフルエンザウイルスは、抗原性の違いからA 型とB 型、および大きな流行を起こさないと考えられているC 型の3種に分けられます。
A 型はさらにウイルス表面の2種類の糖タンパク質であるヘマグルチニン(HA:H1~16)とノイラミニダーゼ(NA:N1~9)の抗原性の違いで144(16×9=144)の亜型に分類されます。
たとえば、新型、ソ連型インフルエンザウイルスはAH1N1亜型、香港型インフルエンザウイルスはAH3N2亜型です。
【潜伏期間】
ウイルスに感染してから発症するまでの期間を潜伏期間といいます。
症状がない間にもウイルスが排出され、他の人にうつしてしまう可能性があります。
発症の 前日くらいからは、感染する可能性があります。
潜伏期間は1日~7日です。
感染から4日以内での発症が多いです。
感染したインフルエンザウイルスの量や感染 した人の免疫状態により変わってきます。
【症状】
高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、咳、のどの痛み、鼻水などです。発症が急激です。
【主な感染経路】
<①飛沫感染>
インフルエンザに感染している人のくしゃみや咳で出るしぶきの中にはインフルエンザウイルスがいます。しぶきを吸い込むことによって感染します。くしゃみや咳ででるしぶきは、2メートル程度まで拡がると言われています。
  <②接触感染>
インフルエンザに感染している人の唾や鼻水(ウイルスが存在)が、手、ドアノブ、つり革などを介して手に付着し、ウイルスが付着した手で、口や鼻、目などの粘膜を触れることで感染します。
【診断】
綿棒で鼻の奥の液を採取します。
鼻から採取した液を用いて、インフルエンザウイルスを検出します。インフルエンザウイルスの検出に用いるキットですが、ウイルス核蛋白に対する抗体を使用して、ウイルスを検出するインフルエンザ抗原検出検査です。15分程度で検査結果が出ます。発病からの時間により、インフルエンザウイルスを検出できる割合が違い注意が必要です。
発病から6時間以内で67%、6~12時間で75%、12~24時間で86%、24~48時間で92%の割合で検出できます。
以上のデータから、発病してすぐに検査をしても、3人に1人の方はインフルエンザにかかっていても陰性(偽陰性)と結果が出ることがわかります。
インフルエンザが疑わしい場合は、翌日にもう一度、検査を受けられることをお勧めします。
【治療】
①タミフル(内服薬)
成人:1回1カプセル1日2回 5日分
小児:1回2mg/kg 1日2回 5日分
10歳以上の未成年者において、異常行動との関連が指摘されており、投与はすすめられません。インフルエンザAに効果があり、Bへの効果は弱いです。発病してから48時間以内に内服すると効果があります。内服を開始して、翌日には5割弱程度の方が37.5度まで下熱し、2日目には8割の方が解熱します。
②リレンザ(吸入薬)
1日2回吸入。5日間使用します。
5歳以上の小児、成人で使用可能
インフルエンザA、Bともに効果があります。
③イナビル(吸入薬)
平成22年から使用できるようになりました。
1回の吸入で効果があります。
インフルエンザA、Bともに効果あり。
④ラピアクタ(注射薬)
平成22年から使用できるようになりました。
1回300mg15分以上かけて点滴静注
小児:1回10mg/kg 15分以上かけて点滴静注点滴の抗ウイルス剤です。
1回の投与で効果があり、インフルエンザA、Bともに効果があります。小児・未成年者での異常行動の報告があります。投与後少なくとも2日間は、一人にならないように配慮する必要があります。

※当院では、タミフル、イナビル、ラピアクタが使用可能です。
【インフルエンザの予防】
①インフルエンザの予防について
マスクの装着や、手洗い・うがいが大事になります。手洗いは、外出後だけではなく、可能な限り頻回に行います。石けんを使って最低15秒以上行います。洗った後は清潔なタオル等で水を十分に拭き取りましょう。また、ウイルスが粘膜を通して感染するため、極力鼻や口などを触らないようにしましょう。
②家族が感染した場合の注意点
感染した人には別の部屋で療養してもらい、マスクを着用してもらいます。加湿器で室内の湿度を保ち、換気をこまめにすることも重要です。感染した人を看護、介護した場合は、かならず手洗いをしましょう。
③職場や学校への復帰について
解熱しても、しばらくは鼻腔・咽頭からウイルスが排泄され感染源となります。職場や学校で周囲の人にうつしてしまう可能性がありますので、解熱から2~3日は自宅療養しましょう。
④インフルエンザワクチンについて
発病予防効果は、年度により異なります。悪い年では20~40%、良い年では70%前後と報告されています。
65歳以上の高齢者 発病予防効果45%、死亡阻止効果 80%1歳以上6歳未満 発病予防効果 20~30%1歳未満効果はあきらかではありません。

平成21年度の新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチンの接種後の副作用として推定接種者数約2,100万人中死亡例が133人報告されています。
ワクチン接種との因果関係があるとして報告されたものは3例でした。国産ワクチンの副作用の頻度は、0.01%です。重篤な副作用は、0.002%と報告されています。
副作用の内容は、痛み・かゆみ・腫れなどの注射部位の問題、発熱、頭痛、関節痛、鼻水です。

平成22年度の3価混合ワクチンには、新型インフルエンザウイルス(AH1N1亜型) 、香港型インフルエンザウイルス(AH3N2亜型)および B型インフルエンザウイルスが含まれています。インフルエンザワクチンが効果を発揮するまで2週間程度かかります。

☆当院での予防接種代は3,000円です。

生活習慣病

高血圧
血圧が高いために、健康状態になんらかの不利益がある、将来起こる可能性がある状態をいいます。日本で行われた研究で、血圧 120/80mmHg 未満の人と比べて、血圧140/90mmHg 以上の人で有意に脳卒中の発症率が上昇したことが報告されています。収縮期血圧 140mmHg または拡張期血圧 90mmHg 以上を高血圧の基準としています。
【診療の進め方】
① 問診・診察・血液検査・尿検査などを行います。
高血圧の治療目的は、血管・心臓・腎臓・脳などの臓器に障害が起こるのを防ぐことです。現時点で、それぞれの臓器に、どの程度、障害が起こっているのかを知っておくことが重要ですそのための検査として、血液検査、尿検査、心電図検査などを行います。

② 二次性高血圧を除外します。
二次性高血圧とは、他の疾患が原因で、結果として血圧が上がっている状態です。血圧 160/100mmHg をこえている、血液検査でカリウムの値が低い、腎機能障害があるなどに当てはまる場合、二次性高血圧を考えて検査をすすめます。二次性高血圧の場合は、血圧を下げるだけではなく、原因となった疾患に応じた対応が必要となります。二次性高血圧の原因となる疾患には、原発性アルドステロン症、腎血管性高血圧、薬剤性高血圧などがあります。

③ 治療
リスクに応じて治療を行います。以下のようなリスクがあると、早期に降圧剤を用いて治療を行います。 a. 収縮期血圧 180mmHg または拡張期血圧 110mmHg 以上 b. 心臓病、糖尿病、腎臓病がある。 c. 高齢( 65 歳以上)、喫煙、脂質異常症、肥満(BMI ≧25 )、メタボリックシンドロームなどのリスクがある。 リスクの低い人は、まず生活習慣の改善を行います。 1-3 カ月の生活習慣の改善にで、高血圧の改善がなければ降圧剤を使用します。 使用する薬剤は、アンジオテンシン Ⅱ 受容体拮抗薬(ARB)・アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬またはカルシウム拮抗薬で開始します。 降圧が十分に得られない場合、利尿剤(サイアザイド系)、 β 遮断薬を使用します。
高脂血症
【高脂血症とは】
血液中のコレステロールや中性脂肪が正常範囲を超えて増加した状態をいいます。
症状はありませんが、動脈硬化を起こし、動脈硬化と関連した心臓病(狭心症・心筋梗塞)や脳血栓症などの発生につながります。
  正常範囲
総コレステロール 150-220 mg/dL
HDL-コレステロール(善玉) 40-70 mg/dL
LDH-コレステロール(悪玉) 80-140 mg/dL
中性脂肪 50-150 mg/dL

正常範囲を超えた場合、食事療法や運動療法、禁煙などの生活習慣を改善をおこないます。効果がない場合は、コレステロールや中性脂肪を下げる薬を服用します。
【食事療法】
カロリー・動物性脂肪・コレステロールを制限し、食物繊維(野菜・ごぼう・芋・キノコ類・豆類・海藻・柑橘類)を多く取ります。大塚製薬のホームページの中に、食物繊維に詳しいページがあります。レシピなんかも載ってます。
食品 点数
鶏卵 1個 66点
牛肉・霜降り 60g 53点
うなぎの蒲焼 1串 46点
豚肉・ロース 60g 25点
チーズ 25g 25点
ウインナーソーセージ 30g 14点
ベーコン 10g 11点
アジ 1尾 11点
マヨネーズ 15g 10点
ハム 30g 9点

それぞれの食品のグラム数は、以下のサイトで大まかな量がわかります。
グラムのわかる写真館(例えばマヨネーズ 14 gを写真でみて確認できます )
【運動療法】
ウォーキング、ジョギングなど軽めの運動がお勧めです。悪玉コレステロールや中性脂肪をを下げ、善玉コレステロールを増やすことができます。生活習慣の改善タバコは善玉コレステロールを減らし、動脈硬化を促進します。少量のアルコール(ビール大瓶 1 本以下、お酒1合以下)は問題ありません。
<メディクイックブック 金原出版参考>
痛風・高尿酸血症
痛風・高尿酸血症とは?】
血液中の尿酸が増えた状態を、高尿酸血症といいます。尿酸が高くなると、尿酸が関節や腎臓にたまり始め、
痛風発作と呼ばれる関節炎(足の親指の付け根、足首、ひざなどに痛みを起こす)をおこしたり、腎臓の機能が悪くなったり、尿路結石になったりします。 血液中の尿酸値が 7.5 ㎎ / dLをこえると注意が必要です。血液中の尿酸値が 8.5 ㎎ / dLを越えたり、それ以下でも痛風発作がある場合などは尿酸を下げる薬を服用します。
尿酸の高い方は、動脈硬化、肥満、高血圧、高脂血症を合併しやすいことがわかっています。
原因
尿酸はプリン体から作られます。プリン体は食品の中に含まれていたり、体の中で、核酸、たんぱく質やアミノ酸が分解される過程で老廃物としてつくられま す。主に腎臓から排泄されますが、つくられる量と、排泄される量のバランスが崩れると、尿酸が高くなります。血圧や利尿剤を服用している場合、血液・腎臓 の病気がある場合にも尿酸が高くなることがあります。
日常生活の注意点
ビール、レバー、牛肉・豚肉、白子、あんきも、カツオ、車エビなどには多くのプリン体が含まれます。アルカリ性食品を多く取る。尿が酸性になると結石がで きやすいので、野菜・海藻類などのアルカリ性食品を多く取るようにします。水分を多く取り、尿を多く出すことで尿路結石を予防します。尿酸の高い方は、動 脈硬化、肥満、高血圧、高脂血症を合併しやすいことがわかっており、運動やカロリー・塩分制限も必要に応じて行います。
<メディクイックブック 金原出版参考>
メタボリックシンドローム
【メタボリックシンドロームとは?】
高血圧、糖尿病、高脂血症の基準を満たさなくても、正常より高めの血圧・血糖・コレステロールが重なると、動脈硬化による心臓病や脳卒中になりやすいこと がわかっています。過食や運動不足といった生活習慣を続けていると、内臓肥満(皮下ではなくお腹の中に脂肪がたまる)が起こり、脂質代謝異常、糖代謝異 常、血圧異常を重複して持つメタボリックシンドロームになります。メタボリックシンドロームを放置していると、動脈硬化がすすみ、心臓病や脳卒の原因とな ります。

メタボリックシンドロームの診断基準は以下の通りです。
内臓肥満(ウエスト周囲径)があり、脂質代謝異常、血圧異常、糖代謝異常の3つのうち2つがあればメタボリックシンドロームと診断します。
  基準
内臓脂肪の目安 内臓脂肪蓄積
  ウエスト周囲径(おへその高さで測定)
   男性  ≧ 85 cm
   女性  ≧ 90 cm
  上記に加えて以下のうち 2 項目以上を満たす。
脂質代謝異常 中性脂肪 ≧150 ㎎ / dL または  HDLコレステロール <40 ㎎ / dL
血圧異常 収縮期血圧 ≧130 ㎜Hg または 拡張期血圧 ≧85 ㎜Hg
糖代謝異常 空腹時血糖 ≧110 ㎎ / dL

内臓脂肪がどれくらいたまっているかは、CT検査をすれば確認できますが、コストがかかり、被爆のリスクがあります。
超音波検査でもある程度はわかりますので、当院では超音波検査をお勧めしています。
改善するには
高カロリー、脂っこいもの、甘いもの、野菜不足といった食生活を続けていると、内臓に脂肪がたまりやすいことがわかっています。こういった食生活を避ける ようにします。また塩分も控えめにします。運動も重要です。定期的な運動が難しい人は、ウォーキングがお勧めです。 1 日平均 10000 歩を目標にしましょう。
糖尿病
糖尿病とは?】
血液中のブドウ糖はエネルギー源として重要ですが、エネルギーとして働くためには膵臓でつくられるインスリンというホルモンの助けが必要です。このインス リンの働きが低下して起こるの病気が糖尿病です。インスリンの量が不足(インスリン分泌低下)していたり、インスリンの働きが不十分であると、血液中にブ ドウ糖がたまり、血糖値が高い状態になります。高血糖は、体中の血管に障害を起こします。太い血管に障害を起こす場合、動脈硬化症から心臓病・脳梗塞の原 因となります。細い血管に障害を起こす場合、目の網膜や腎臓に障害を起こします。高血糖は神経にも障害を起こします。

糖尿病の初期では症状のないことが多く、血液検査や尿検査で確認します。
糖尿病の検査】
①尿検査
エネルギー源として利用されなかったブドウ糖は、腎臓から尿中へ排泄されます。糖尿病がなくても食後には高血糖になり、尿の中に糖が出ますので、尿に糖が 出たからといって必ずしも糖尿病とはいえません。しかし、尿に糖が出たということは糖尿病早期発見のきっかけになります。
②血液検査
早朝空腹時の血糖値、ヘモグロビン A1 cなどを測定します。
糖尿病の判定基準
空腹時血糖値  126mg/dL 以上
血糖値  200mg/dL 以上
HbA1 c  6 ・ 5 %以上(国際標準値)などの基準があります。
糖尿病の合併症】
①目の障害(糖尿病性網膜症)
高血糖により、網膜の細い血管の障害がおこります。最悪の場合、眼底出血をきたし、失明に至ることもあります。眼底検査で、網膜の状態をチェックします。
②腎臓の障害(糖尿病性腎症)
高血糖により腎臓を流れる細い血管の障害が起こり、腎臓の機能が悪くなります。治療せずに放置すると、腎不全をきたし透析が必要になります。尿の中のアルブミンというタンパクを測定することにより、腎臓の障害の程度がわかります。
③神経の障害(糖尿病性神経障害)
手足のしびれ、自律神経障害(胃腸の調子がわるい、インポテンツ、たちくらみなど)をおこします。
糖尿病の治療】
まず生活習慣の改善です。食事療法・運動療法を試みます。改善のない時は、お薬で治療をします。

~食事療法~
栄養のバランスをとりながら、カロリーを制限します。
摂取するカロリーの目安は、標準体重(=身長(m) × 身長(m) × 22)と身体活動量から計算します。
摂取エネルギー量=標準体重 × 身体活動量で計算します。

身体活動量の目安(摂取エネルギー量=標準体重 × 身体活動量で計算します。

デスクワークが主な人 25~30
立ち仕事が多い人 30~35
力仕事が多い人 35~

(例)身長 165 cm、体重 72 Kgで、デスクワークが主な人の場合
標準体重(Kg)= 1.65×1.65×22 = 59.9
摂取エネルギー量(k cal )= 59.9×30 = 1797
約 1800 キロカロリーが基準になります。体重を落とすためには、これよりも低いカロリーに抑える必要があります。

甲状腺疾患

甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンのうち特にFT4が低く、TSHが高い場合、原発性甲状腺機能低下症と診断します。
症状
無気力、易疲労感、眼瞼浮腫、寒がり、体重増加、便秘、さ声、記憶力低下、嗜眠、動作緩慢などの症状を呈します。
糖尿病の初期では症状のないことが多く、血液検査や尿検査で確認します。
検査所見
超音波検査にて、びまん性の甲状腺腫大、 コレステロール高値、CK高値
原因
甲状腺の手術歴、放射線治療、ヨードの摂取過多
慢性甲状腺炎(橋本病)
橋本病は、血液検査で、抗サイログロブリン抗体を測定して診断します。
治療
甲状腺ホルモン製剤(チラージン)を服用します。
心臓病があったり高齢者の場合、急にたくさんのホルモンを補充すると、
心筋梗塞を起こすことがあり、少量(12.5)から開始し、2週間ごとに増量していきます。
甲状腺機能亢進症(ハセドウ病)
特有の症状と検査所見から診断します。
臨床所見
①頻脈、体重減少、手指のふるえ、発汗の増加
②びまん性甲状腺腫大
③眼球突出または特有の眼症状
検査所見
①FT4、FT3のいずれか一方または両方が高値
②TSH低値
③抗TSH受容体抗体陽性または刺激抗体陽性
  (以上は血液検査。当院でも施行可能)
④放射性ヨード甲状腺摂取率が高値、シンチグラフィーでびまん性
  (専門施設での検査)

臨床所見の1つ以上、検査所見の4つを有するものをバセドウ病と診断します。

治療
抗甲状腺薬(メルカゾール)で治療します。
0.1-0.5%に無顆粒球症という重篤な副作用があり、専門施設で加療するのがよいでしょう。
抗甲状腺薬でコントロールが難しい場合は、放射性ヨードを内服したり、手術で甲状腺を摘出するなどの方法があります。
甲状腺腫瘍
良性腫瘍や甲状腺癌があります。
癌であっても甲状腺癌は、一般的に性格はおとなしく、無治療で経過を見ることもあります。
甲状腺癌の中にも、少数ですが命に関わる癌があり、専門施設での診断と治療が必要になります。
超音波検査所見やや穿刺吸引細胞診(細い針で細胞を採取)で診断します。

肛門疾患

お尻の悩み
成人の半数以上は肛門疾患を持つといわれます。 便秘や下痢になると肛門に負担をかけ、痔になる確率が高くなります。
痔核
肛門にいぼ状の腫れ物ができます。痔の中で一番多いタイプです。できる場所により、内痔核と外痔核に分類されます。
【症状】
内痔核は、歯状線(直腸粘膜と肛門の皮膚との境目)より上の直腸の粘 膜にできます。痛みを感じません。排便時に出血します。
外痔核は、歯状線より下の皮膚にできるため痛みを感じます。
原因
内痔核と外痔核のできる部分には、肛門のクッション(静脈と結合組織からなる)が存在し、静脈がうっ血することによりおこります。排便時のいきみ、便秘や下痢などで肛門に負担がかかることによって起こります。
治療
腫れをおさえる軟膏や飲み薬を使用します。改善しないときは、手術や注射をします。
裂肛
歯状線より下にある肛門上皮とよばれる皮膚の部分が切れることでおこります。
【症状】
排便時の強い痛みと、出血があります。
原因
便秘による硬い便や、下痢便が勢いよく通過するときに肛門上皮が切れて起こります。
治療
軟膏や飲み薬を使用します。
痔瘻・肛門周囲膿傷
細菌によって化膿した状態です。肛門周囲が化膿して膿がたまった状態を肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)といい、たまった膿が外にでて膿のトンネルができると痔瘻になります。
【症状】
膿がたまると、痛みや熱がでます。
原因
肛門陰カとよばれる肛門の歯状線にあるくぼみに下痢便が入り細菌が感染しておこります。体力が弱っているときに起こりやすいです。
治療
膿がたまって、痛みや熱がでているときは、膿を出す処置を行います。(当院でも施行可能です。)
痔瘻になるとトンネルを除去する手術が必要になります。(専門病院を紹介します。)
痔を防ぐ為の注意点
①お風呂には毎日ゆっくり入りましょう。
肛門を清潔に保てるうえ、全身の血行がよくなり、肛門のうっ血がとれるためです。
痔瘻や肛門周囲膿瘍のような炎症がおこっている時は逆効果になります。

②トイレで強くいきまない。
いきみすぎると、肛門に負担をかけてしまいます。

③同じ姿勢をとらない。
立ったり、座ったり同じ姿勢をとり続けると、肛門がうっ血し、痔が悪化します。

④下痢や便秘にならないように食生活に気をつける。
下痢や便秘になると肛門に負担をかけます。便秘にならないために食物繊維を多くとりましょう。お酒を飲み過ぎると、 下痢やうっ血を起こしやすくなります。また香辛料は肛門を刺激しやすいので、控えめにしましょう。