漢方外来

漢方とは
漢方医学で使用される漢方薬は、生薬(しょうやく)を漢方理論や臨床経験により組み合わせたものです。
生薬とは、植物、動物、鉱物といった天然物をそのまま、あるいは簡単な加工をくわえて作ったものです。
天然物ですので、いろいろな成分が混ざり合った多成分系です。(西洋医学で使用する薬剤が単一性分であるのと大きな違いです。)
多成分系ですので、効果が多岐にわたり、副作用が軽く、効果が持続的であるという特徴があります。
漢 方医学は、古代中国の哲学思想に膨大な臨床経験を積み重ねて発達してきた治療医学です。西洋医学のような特定の病因、病巣を探していくのとは違い、患者の 心身全体の状態を把握し、健康な状態との隔たりを是正するように処方を決めます。漢方医学では西洋医学的な病名はつかずに処方が決まることもあります。
漢方外来
漢方外来は、保険適応です。
漢方外来では、 問診に加え、脈診(脈の強さ)、腹診(お腹の診察)、舌診(舌の状態)を行い処方を決定します。ぴったりの漢方薬がみつかるまで、2~4週ごとに様子を伺 いながら、お薬を変更していきます。お薬は、エキス製剤を中心に使用しますが、ご希望により煎じ薬の処方も可能です。
漢方薬の副作用
ほとんど副作用はありませんが、ゼロではありません。甘草を含む処方を多量に飲んだ場合、足がむくんだり、血圧が上がったり、電解質のバランスが崩れたり する為アルドステロン症を起こす可能性があります。桂枝(シナモン)を含む処方では、まれに肝機能障害がおこります。漢方を長期で内服する場合は、定期的 に血液検査でチェックしておく方がよいでしょう。麻黄を含む処方では、動悸を起こす可能性があります。麻黄、地黄、当掃を含む処方では、むかつきを起こす 可能性があります。小柴胡湯は肝炎などでインターフェロン投与を受けている人が内服した場合、間質性肺炎(咳の症状が出ます。)を起こすことが知られてい ます。20,000人に1人と頻度は低いですが、一度発症すると重症になります。
治療
症状・病状 処方名
冷え性 38 当帰四逆加呉茱萸生姜湯
106 温経湯
23 当帰芍薬散
24 加味逍遙散
25 桂枝茯苓丸
更年期 23 当帰芍薬散
24 加味逍遙散
25 桂枝茯苓丸
月経不順・月経困難 106 温経湯
23 当帰芍薬散
24 加味逍遙散
25 桂枝茯苓丸
61 桃核承気湯
関節痛 18 桂枝加朮附湯
20 防已黄耆湯
28 越婢加朮湯
神経痛 30 真武湯
18 桂枝加朮附湯
107 牛車腎気丸
7 八味丸
63 五積散
53 疎経活血湯
神経症 137 加味帰脾湯
26 桂枝加竜骨牡蠣湯
54 抑肝散
12 柴胡加竜骨牡蛎湯
便秘 51 潤腸湯
126 麻子仁丸
74 調胃承気湯
133 大承気湯
下痢 30 真武湯
128 啓脾湯
14 半夏瀉心湯
114 柴苓湯
尿路関連症状 111 清心蓮子飲
107 牛車腎気丸
7 八味丸
40 猪苓湯
76 竜胆瀉肝湯
めまい 37 半夏白朮天麻湯
39 苓桂朮甘湯
17 五苓散
肥満 20 防已黄耆湯
62 防風通聖散
8 大柴胡湯
105 通導散
男性更年期 7 八味丸
26 桂枝加竜骨牡蠣湯
41 補中益気湯
12 柴胡加竜骨牡蛎湯
 

禁煙外来

禁煙外来のご案内
【タバコのいろいろな害】
①  日本人男性は喫煙により約4年間寿命が短くなります。
②  肺癌のリスクが4-7倍、脳梗塞のリスクが2.2倍、脳出血が2倍になります。英国のデータですが、75歳まで喫煙を続けた男性は、肺がんで死亡する確率が15.9%です。
③  子宮頸癌・食道癌・胃癌・大腸癌・喉頭癌・肝癌の発症にも関係。
④  肺気腫の原因の90%は喫煙です。
⑤  お金がかかる。1日1箱400円、1年で15万円、10年で150万円です。今後値上がりするでしょうから費用はさらに増えます。
⑥  美容に悪い。タバコの中の有害物質が肌に悪いといわれています。
⑦  受動喫煙 1日20本以上喫煙する夫を持つ日本人女性の肺がんリスクは2.08倍と言われています。受動喫煙により子供の肺機能が3~5%低下するし、妊娠中の喫煙は、乳幼児突然死症候群と関連することも指摘されています。
【ニコチン依存症】
タバコを吸うことで、タバコの中のニコチンが、脳内のニコチン受容体へ作用しドーパミンという快楽をもたらす物質を放出させます。タバコを吸うと、急激に 血中のニコチン濃度が上昇しドーパミンが放出されるため、依存症を発生させやすいとされ、依存症を発生させる頻度は、ヘロイン・コカイン・アルコールをし のぐといわれます。タバコをすわないと、ニコチンの離脱症状が出現し、それを消すためにタバコを吸うという行動を繰り返します。
禁煙外来
ニコチンパッチに加え、2008年1月から禁煙補助薬チャンピックスが日本で使用可能となりました。チャンピックスは、禁煙に伴う離脱症状をおさえ、さら に喫煙による満足感もおさえられるため禁煙の成功率が3倍高くなると報告されています。禁煙外来では、ニコチネルTTS(ニコチンパッチ)やチャンピック スを使用して禁煙をサポートします。
【健康保険が使えます】
一定の条件を満たせば、保険診療が可能です。条件とは、以下の4つです。
①直ちに禁煙をしようと考えていること。
②ニコチン依存症と診断(TDS5点以上)されていること。ニコチン依存症スクリーニングテストで5点以上であること。
③ブリンクマン指数が200以上
④禁煙治療を受けることを文書により同意していること
※②と③の条件がわかりにくいと思いますので、以下に説明を追加します。
まず②のニコチン依存症ですが、10個の質問に「はい」か「いいえ」で答えていただくだけの簡単なテストです。
(ダウンロードページの禁煙外来同意書参照)
質問に対する「はい」の数が、5個以上ならニコチン依存症です。
次に③のブリンクマン指数ですが、1日にすうタバコの本数×喫煙年数で計算します。
たとえば、1日20本、15年間すってきた人は20(本)×15(年数)=300で、ブリンクマン指数は300になります。
上記4条件を満たす場合は、保険診療になります。(*該当しない場合は自由診療になります。)
費用
チャンピックスを12週間使用した場合、5回分の診察代と薬代すべてをあわせた自己負担額は、3割負担で約19000円になります。
ニコチネルTTSの場合は、約13,000円になります。
初日診察
診察の回数は5回です。
2週間後(2回目),4週間後(3回目),8週間後(4回目),12週間後(5回目)
①問診表の記入していただきます。
 喫煙の状況、ニコチン依存性の評価を確認します。
 先の4つの条件を検討し、保険適応になるかどうかを判断します。
②呼気一酸化炭素濃度の測定
 喫煙しているかたは、数値が高くでます。禁煙することで、下がってきます。
 この数値を参考に、喫煙状況を客観的にしらべます。
③検査結果と禁煙補助薬の説明
④禁煙日を決定し、禁煙宣言書にサインしていただきます。
⑤次回外来の予約
⑥診察日当日からニコチネルTTSの貼付またはチャンピックスの内服を開始します。

【ニコチネルTTSによる治療】
パッチによりニコチンを補充します。
大きめのパッチを4週間、中くらいを2週間、小さいパッチを2週間
徐々に補充するニコチンを減らします。
タバコを吸うことで吸収されるニコチンと違い、一定量をすこしずつ補充するため依存を起こしにくいといわれています。
治療開始と同時に、禁煙を開始します。(チャンピックスとの違い)
肌の弱い方・心血管の病気をお持ちの方は使用しにくい薬です。

【チャンピックスによる治療】
禁煙をはじめる1週間前からのみ始め、12週間服用します。
飲み初めの1~3日までは0.5mg1日1回食後、4~7日までは0.5mg1日2回朝・夕食後8日目(禁煙開始日)~1mg 1日2回朝・夕食後で服用します。
<チャンピックスの副作用>
のみはじめの1~2週間に軽い吐き気がでます
吐き気が続く場合は、吐き気止めをお出しします。それでも改善がない場合は、薬の量を減らします。
頭痛・便秘・うつ・不眠・眠気・悪夢(リアルな普段は見ない様な夢)などの症状もみられます。
運転中にチャンピックスが原因と思われる意識障害による交通事故の報告があり、運転される方は注意が必要です。
症状を抑えるようなお薬を処方しますが、改善がないときは薬の量を減らします。
精神症状を悪化させる可能性があるため、うつ病などの精神疾患をお持ちの方には処方できません。
薬の量を減らしても、副作用が強く出る場合は、ニコチンパッチでの治療へ変更します。
 

乳腺疾患

乳がん
【乳がんとは?】
乳がんは、乳房の中にある乳腺にできます。がん細胞は、細胞の遺伝子に傷がついたことで発生します。
遺伝子に傷ができるのは、タバコ、食事、紫外線、放射線など様々な原因があります。人間の体の細胞は、勝手に分裂したり、増えたり、周りに拡がったりしない様に遺伝子によって制御されていますが、遺伝子に傷がついてしまうことで、調節がうまくいかなくなり、勝手に分裂したり、まわりに拡がったりするようになります。この状態ががんです。

【乳がんの経過】
乳がんは、はじめは乳管という乳汁が通る管の中で増殖します。この段階は非浸潤癌(ひしん じゅんがん)とよばれます。ある段階になると、がん細胞は、乳管を食い破って周りの組織に広がるようになります。
周りの組織の中には、リンパ管や血管が通っており、ここにがん細胞がはいってしまうと、リンパ管や血管を通って全 身へ拡がってしまいます。乳管を食い破って周りに拡がった状態が、浸潤癌(しんじゅんがん)と呼ばれる状態です。浸潤癌になると、リンパや血管を伝って全身へひろがる、いわゆる転移を起こす可能性がでてきます。

【乳がんの症状】
症状の中で最も多いのはしこりです。乳房は自分でも触れますので、しこりに気づいて乳がんが発見される方が多いです。乳頭からの血液混じりの分泌物が見ら れることもあります。皮膚のくぼみ、皮膚が赤くはれる、乳頭のただれが起 こることもあります。乳房に起こる痛みは、乳腺症、乳腺炎など乳がんと関連のな いことが多いでが、生理とは関係なく続くようなら、詳しく調べたほうがよいでしょう。

【乳がんの検診】
乳がんを治す為には早期発見が大切です。
30歳を過ぎたら、定期的に検診を受けたほうがよいでしょう。30代の人は、乳腺が発達しているために マンモグラフィー検査では、がんが判りにくい場合がありますので超音波検査がお勧めです。当クリニックでも、超音波検査は施行可能です。40歳以上の人 は、2年に一度マンモグラフィー検査と視触診、可能であれば超音波検査も受けましょう。ご家族の方に乳がんになった方がいる場合、乳がんになる可能性が高 くなりまし、更年期障害でホルモン治療を受けて おられる方も、乳がんになる可能性が高くなりますので、より積極的に検査を受けておく必要があります。

また普段から自己検診を行いましょう。
乳腺は自分の手でさわることが可能ですので、こまめにチェックしましょう。皮膚の下には脂肪があって、その下に乳腺組織があります。指をしずめて少し固く 触れるところが乳腺組織です。乳がんは乳腺組織にできますので、その中で固く触れるところがないか確かめて見ましょう。乳腺は乳頭を中心にして円状の拡 がっていますが、腋の方向へは長く伸びていて、乳腺の組織も多いですので、特によく調べましょう。
乳腺症
ホルモンの分泌が活発な、20~40歳代の女性に多くみられます。エストロゲン(女性ホルモン)が相対的に過剰になり、
ホルモンバランスが崩れることが原因といわれています。顕微鏡で乳腺組織を観察すると、しこりのように変化した部分(増殖性変化)と、萎縮してかたくなったり、みずがたまったりした部分(退行性変化)が併存する状態です。正常からやや逸脱した変化であり、病気ではないと考える専門家もいます。症状として、乳房のしこり、腫脹、痛み、乳頭分泌がみられます。生理前に症状が強くなり、生理がはじまると症状が軽くなるといった特徴があります。

【乳腺症の診断】
痛みなどの症状、触診で乳腺を固くふれることで乳腺症を疑います。マンモグラフィーや超音波検査を行い、その結果により、穿刺吸引細胞診(細い針で細胞を採取)や針生検(麻酔をしてやや太めの針で組織を採取)を行い、顕微鏡で診断を確定します。

【乳腺症と乳がんの関連性】
生検の結果、乳腺症と診断のついた人のうち、約4%(異型を伴う増殖性病変)は、乳がんに4~5倍なりやすいことがわかっています。したがって、ほとんどの乳腺症は、乳がんとは無関係ですが、乳がんになりやすいグループのひとは定期的な検診が必要です。

【乳腺症の治療】
予防としては、脂肪を制限する、ヨード摂取するなどが有効です。保険適応のある薬剤として、ホルモン剤のダナゾールがあります。抗エストロゲン作用と弱いアンドロゲン作用があります。ダナゾール1日200mgを6週間以上投与した場合、約90%の人に有効で、投与終了後6カ月目での症状再発は7.7%とよい成績が報告されています。副作用としては、月経異常、肝酵素の上昇、消化器症状などがあります。
線維腺腫
乳房にできる両性の腫瘍です。20~30歳代の女性で最も多い腫瘍です。ホルモンの状態によって大きくなることもあります。良性の腫瘍ですので、治療は不要ですが乳がんと区別が難しいことがあり、針で細胞や組織を取ってがん細胞がないことを確認することもあります。
葉状腫瘍
線維腺腫とよく似た腫瘍ですが、悪性のものもあります。葉状腫瘍の場合は手術で切除する必要があります。
乳管内乳頭腫
乳頭から血液混じりの分泌物が出ることが特徴です。 手術で乳頭腫のある乳管を切除します。
乳腺炎
乳頭から細菌が感染しておこります。乳房の発赤、腫張、疼痛などの症状をおこします。
抗生物質の投与を行います。炎症の程度によっては切開して膿を排出する必要があります。